
コロナ禍を経て、テレワークがすっかり定着した今日この頃。 同時にハラスメントに対する意識が格段に高まったことも影響してか、職場の空気感が以前とはガラリと変わったと感じることが増えました。
かつてのような「チームワーク」や「助け合い」よりも、ドライな個人主義を貫く人が圧倒的に増えた気がします。
境界線をしっかり引き、リスクは徹底して避ける
今の職場を見渡すと、多くの人が自分の仕事の周りにクッキリと境界線を引いているように見えます。
-
自分の割り当て以外の仕事には絶対に手を伸ばさない
-
他人の仕事内容で気になる点があっても、自分に実害がない限り一切口を出さない
-
後輩や若手を「教える」「育てる」といった介入をしない
善意で何かを教えたり注意したりしようとしても、「ハラスメントと言われたらどうしよう」「余計なリスクを負いたくない」という心理が勝ってしまうわけです。若手と深く関わること自体が、ある種のリスクと隣り合わせになってしまいました。
「無理に良くしようとしない」という最強の自己保身
「こんな関係性で、組織として本当にいいのだろうか?」という疑問や違和感は拭えません。
しかし、かといって「もっとチームワークを大事にしよう」「お互いに教え合おう」と声を上げたり、場を良くしようと奮闘したりすれば、今度は「省エネで波風立てずに過ごしたい勢力」からの反発や攻撃を受けるリスクすらあります。
結局のところ、「お互いに干渉せず、自己保身に徹して自分のテリトリーだけを守る」のが、現代の会社組織において最も安全で賢い振る舞いになってしまっているのが現実です。
これは日本だけの現象なのか、世界的な流れなのか?
個人主義や成果主義の本場である欧米では、昔から職務記述書(ジョブディスクリプション)によって仕事の範囲を明確にする文化がありました。
ですが、日本の場合は「お互いに助け合い、背中を見て育つ」という曖昧な共同体型の強みで回ってきた歴史があります。その「日本型チームワーク」の枠組みだけが崩れ、ドライな部分だけが加速してしまった結果、なんだかギスギスとした冷たい空間だけが残ってしまったようにも思えます。
効率化やリスク回避という意味では正解なのかもしれませんが、人間関係の温かみや「みんなで達成感を分かち合う」という職場本来の良さは、どこへ行ってしまったのでしょうか。
互いに干渉しない個人主義の行き着く先に、どんな組織文化が待っているのか。 冷徹な自己保身とどう付き合っていくべきなのか、深く考えさせられる毎日です。